2011年09月25日

ヒノキの時計


木の店つぐみで販売しはじめた木の時計。
最初の時計を作ってから、もうすぐ1年になります。

試行錯誤から、すこしずつ定番が見えてきて、1年を経てやっと「カタチとしてのカテゴリー」が出来上がりそうです。

作りたいものと、お客さんが欲しいもの。

両方が満たされて、やっと「カタチになったな…」と言える気がします。

さて、このヒノキの時計は、ちょっとプレミアム。
大きめのφ300ミリ
木目が複雑な「杢目」
針も木製
さらに電波時計
文字も黒ではなくって、赤茶色。

こちらは同スペックのメープルの時計。


この雰囲気、今とても気に入っています。  


Posted by hibari at 20:25Comments(0)創作

2010年10月10日

木の表情(カエデ)



これも2008年に梅ヶ島から出材された楓の木から作りました。
写真では解りづらいかもしれませんが…

まるでシルクの輝きのようにキラキラと輝いています。
決して派手ではなく、上品な輝き。
ホログラムのように見る角度で微妙に表情を変えます。

材木屋や木工家の人たちが、カエデという木に魅せられるのはこの輝きです。
全てのカエデがこういう表情を持っているのではなく、「木との出会い」が大切です。

絵画のような木目ではありませんが、清楚な美しさを持った素材です。  


Posted by hibari at 22:41Comments(0)創作

2010年09月27日

木の表情(ミズメ)



木の存在感とか、表情という表現をしても、なかなか文章では伝わらないので、ちょっと一例です。

これは一昨年2008年に伐採、出材された梅ヶ島のミズメという広葉樹です。
ちなみに過去ブログで、原木の様子が載っています。

じっとこの木の木目を見ていると…
広大な荒野の向こうに川が流れ、その上に沸き立つ雲…。
を想像します。

キラキラと輝く木目は銘木として珍重される部分ですが、用材としては使いにくく、敬遠されがちです。
こうした時計やお椀といった一品ものでこそ、活かせる部分です。
大きさは17センチの円。
本当に小さな、木のほんの一部分を切り取って出来た「風景画」です。  


Posted by hibari at 21:32Comments(0)創作

2010年09月23日

木の時計とデザイン



木の時計を作りながら、どういったデザインやカタチにしようかと迷いながら試行錯誤もしてみたのですが…。

何がこの「木の時計」の主役なのかと考えれば、「木」そのものの存在感であり、
木さえそこにあれば、デザイン云々という思考回路はあまり必要ない。
いや、木が持つ「天然のデザイン」に、どうやったって勝てない。

強いて言えば、原板からどこの部分を使うかといった、「木取り」に最もセンスを要求されるのかもしれない。
じっと木目を見ていると、活かしたい木目の範囲が見えてくる。
自然が作り出す形、色彩、質感を損なわないよう。
欠点を落としながら、無駄の少ない「木取り」をすること。
木との対話が最も大切で、それは意外と時間のかかる作業なのです。

欠点の無い、美しい木目を持った「木の時計」。
欠点ではないが、通常は敬遠する部位を含めた個性的な「木の時計」。
それは、どちらも木の素晴らしい「表情」。

でも、受け取る人の「好み」は明確に分かれる場合もある…。

工業製品ではないから、木目や色、カタチが違うのは当たり前。
デザインすることと、個性を活かす事は、逆の論理なんだろうなあ。

木をカタチ作りしていくと、色々な事を考えさせられる…。  


Posted by hibari at 21:55Comments(2)創作

2010年05月02日

木工展です。


「県産材の樹で作る木工展」
場所:しずぎんギャラリー四季(アゴラ静岡7F)
にて5月5日までやっています。

搬入も終わり、開催中です。
搬入で初顔合わせ。殆どの参加者の皆さんは面識の無い方達ですが、樹や家具の話となると、すぐに盛り上がってしまいます。
杉や桧の良さ、使い方など、面白い提案、考えなど伺えて、プロの木工家さんの視点や技術はとても勉強になります。

私は「ひのキューブ」の展示と、SGEC 森林認証の概略でPR。

花台は庭木でも知られている「ヒメシャラ」。
木材としての流通は無いので、木工家さんたちも初めて目にした木目のようです。
カエデに似て、緻密で美しい木目です。
でも、狂いが大きいのが欠点…。

静岡の樹でも、様々な作品や製品が作れます。
あと3日ありますので、ぜひ御覧下さい。  


Posted by hibari at 22:05Comments(0)創作

2010年04月29日

県産材の木工展へ参加


静岡県産の木材で作った木工展に、不肖、私も参加することになりました。

名称:「静岡県産の樹で作る十三人の木工展」
場所:静銀ギャラリー四季(アゴラ静岡7F)
   (静岡市葵区追手町1-13 tel.054-250-8777)
期間:4月30日〜5月5日(10:00〜17:00)
   初日(13:00〜)最終日(15:00まで)

私は杉や桧に親しんでいるのですが、一般に木工家さんは広葉樹で、殆どは外国産の樹で制作していると思います。
みなさんがどんな素材で、どんなカタチで提案してくるのかとても楽しみです。

私は「ひのキューブ」、「森のフォトフレーム」。そしてちょっとした花台を展示する予定です。

GW期間中の開催なので、ぜひ足を運んで下さい。
お待ちしております。  


Posted by hibari at 20:00Comments(0)創作

2009年06月04日

フォトフレーム展にて


木の店つぐみで「絵の無い展覧会/森のフォトフレーム展」と題して展示していた24種類の木材で作ったフォトフレームの展示。

形はとてもシンプルで、デザインの斬新さも、大げさな技術もなく、自己主張してはいませんが…。

木材のもつ素材感の力を借りて、ひとつの表現手法として並べられたフォトフレーム。

同じ樹種でも、板目と柾目では表情も違うし、
色も場所によって違う。見る角度によって輝き方も変わる。

虫食いの木だって、お洒落に表現できたり、
樹皮付きの木も表情豊かに語りかけてきます。

展示期間が終わって、スペースは若干縮小されましたが、ひきつづき展示販売していますので、木の店つぐみにお越しに際はぜひ、御覧下さい。


制作:クレマクラフト  


Posted by hibari at 21:59Comments(0)創作

2008年10月24日

棟梁の切り絵2


さて、額に入れられないまましまわれていた切り絵。
そうこうするうちに、また棟梁と仕事をすることになりました。そうしたら何と、

また、いただいてしまいました!

こんな恐れ多いものをいただいてしまっていいのでしょうか?
周りの細かい図案がさらに小さく繊細になって、本当に気が遠くなるような作業です。早く額に入れないとバチが当たる。。。



・・・と思って、またさらに1年以上が過ぎてしまいまして(ゴメンナサイ)。
やっと今年の夏休みに、子供の絵を入れる額と一緒に作りました。


デザインは同じシンプルなものですが、子供の絵はスッキリとマカバ材で。
棟梁の切り絵は、ちょっと和テイストを感じるクルミ材です。

なおも元気な棟梁さん。いつまでも良い作品を創り続けて下さい!
棟梁の造る家  


Posted by hibari at 21:18Comments(5)創作

2008年10月22日

棟梁の切り絵1


以前投稿した40年使った研石の棟梁さん。
実はこんな特技もあります。切り絵です。
10枚ほどの半紙を重ねて、切り出すので、同じものが10枚出来るとのこと。サイズはA4ほど。
何と、そのうちの1枚をいただいてしまいました!
「え〜〜いいんですかぁ????」
と嬉しい半分恐縮半分。見れば見るほど気の遠くなるような細かい作業で作られた幾何学模様。

白と黒のコントラストの美しさ。線が切れないように微妙に繋がれたデザインの巧妙。
大きな家を建てる腕と、こんな細工の出来る繊細さ。

我が家の宝物ですが、黒い紙に挟まれた作品を「ほら」と渡されたので、ちゃんと額装しなければとずっと思っていました。
でも、こういう雰囲気の作品に合う額って、無いんですよ。そのうち自分で作ろう、と思って、数年たってしまいました。
---->次回につづく  
タグ :切り絵棟梁


Posted by hibari at 20:35Comments(2)創作